島原の乱、神田千里著を読む

世界遺産に登録され、サイレンス沈黙で映画を観て興味を持つようになった。仕事がひと段落したタイミングで、タイトルの本を読んでみる。

第1章の立ち帰るキリシタン

第2章の宗教一揆の実像

序盤の2章を読み、p.80に書いてある幕府という統一政権の存在のみを根拠にキリシタンの状況を判断することはとても出来ないという言葉が印象的だった。講談社の学術文庫の特徴なのか、一揆の実情を出典元の史料を明記しながら論じている本書は、新書と比較して格段に読みにくい。ただ、丁寧に史料から読み解くことで、教科書や資料集のようなテキストからは見えてこない地続きな歴史を感じることが出来た。それは、例えば隣町の自治会長の意向で地域活動が決定していくプロセスの如く、現代に生きる人へもリアリティを持って想像が出来る。

知らなかった点としては、島原の乱が戦国時代の様子を見て取れる点。そしてキリシタン大名の影響が江戸時代でも残っていること。

暴力と徹底した縦社会